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めまい、耳鳴り・難聴が治る「5つ」の要素とは?


めまい、耳鳴り・難聴を治すためには
「抑える」ではなく「治療する」為の要素が必要なんです。 続きを読む →

めまいの症状と予防

① めまいとは何か?

めまいは,広辞苑によりますと「目眩・眩暈:めがまわること,目がくらむこと。げんうん」と定義されています。日本の古書では,「眼の前のものが 揺れ動いて、あたかも鴨居に懸けた物がゆらゆらとして定まらないと言った感じ」を眩としています。めまいは頭痛と同様にありふれたもので,日常生活の中で も体験する事が多い症状です。健康な方でも,「地震かな」と周囲のヒトに尋ねた経験もあると思います。めまいを定義しますと,安静にしている時あるいは運 動中に,自分自身の体と周囲の空間との相互関係・位置関係が乱れていると感じ,不快感を伴ったときに生じる症状とされています。一般的には自分自身か,ま たは周囲が動いていないのに動いているという違和感のあるあやまった運動感覚を感じているときに,めまいがあると訴えることが多いようです。具体的にはぐ るぐるまわる感じ、ふわふわまたはゆらゆらする感じなどで訴えられています。

視覚入力、内耳入力、深部知覚入力からの情報を小脳、脳幹で分析し、体のバランスをとっている。このシステムの異常によりめまいが起こる。

深部知覚とは、自分の体のおかれた状態を知るためのもので、筋肉・腱・関節周囲の感覚、足の裏に加わった圧力などを感じている。

② めまいを感じるしくみは?

私たちの脳は、内耳の三半規管や耳石器からの信号、目からの視覚情報、手足、首などの筋肉や関節からの知覚情報などを受けて自分の運動や姿勢を認 識します。通常はこれらの感覚の間に矛盾はなく、自分の運動や外界の変化をそれなりに知覚することはあっても、これを「めまい」と感じることはありませ ん。しかし、例えば病気で内耳の調子が悪くなると、実際の動きや姿勢とは異なる情報が内耳から発信されます。すると、その信号によって、実際には頭や体は 動いていないのに、それらが動いたときと同じような筋肉の反射が起こります。また、内耳からの異常な情報が直接脳にも伝えられます。これらの誤った情報 は、現実の運動で生じるものとは異なり、ほかの視覚や筋肉や関節などの体の感覚とうまく一致しません。私たちは、このような複数の感覚情報のアンバランス を「めまい」と自覚するのです。したがって、内耳の病気だけでなく、視覚、首や腰の異常、またそれらの情報入力を統合する脳の病気でも「めまい」を感じま す。「めまい」で多くの種類の検査が行われるのは、このように広い範囲の異常を総合的にチェックする必要があるからです。

③ どうして耳の病気でめまいが起きるのか?

耳は外耳、中耳、内耳に分けられます。このうち、内耳には音を感ずる蝸牛と重力に対する頭の位置や頭の運動(加速度)を感ずる耳石器と三半規管が あります。人間は前庭・三半規管の働きで頭の位置・動きを感じ、目の動きや首・手足の運動を調節することで、姿勢を安定に保ったりスムースに運動を行うこ とができるのです。

耳(内耳)の病気で耳石器・三半規管の働きが障害されると、自分の頭の運動が正確に感ずることができなくなり、動いていない自分の頭(体)が回ったよう に、あるいは揺れているように感ずるようになります。これが「めまい」です。つまり、めまいは自分の位置や運動を誤って感ずる症状なのです。

内耳で音を感ずる蝸牛は、耳石器・三半規管とつながっています。耳の病気でめまいが起きるとき、めまいとともに音の聞こえが悪くなる(難聴)場合と、めまいが単独に起こる場合があります。前者の代表がメニエール病、後者の代表が良性発作性頭位めまい症です。

 

④ めまいが起こったらどうすればよいか?

めまいには大きく分けて、周囲や天井がぐるぐる回る回転性めまいと、体がふらつく、真っ直ぐ歩けない、などの浮動性めまいがあります。回転性めま いは内耳からくることが多く、難聴、耳閉感、耳鳴などの聴覚症状を伴うことがあります。一方、浮動性めまいは立ちくらみ、頭痛、しびれを伴うことがあり、 体や頭を動かしたときに増強することがあります。高齢者の方の浮動性めまいでは高血圧、高脂血症、糖尿病、心疾患などの併発症がしばしば見られます。めま いの発症が急な場合には回転性めまいが多く、吐き気・嘔吐が見られ、この場合には部屋を暗くし、安静にして横になるとかなり楽になります。乗り物酔い止 め、吐き気止めの服用も有効です。しかし、なかなか症状が改善しない、手足のしびれ・麻痺・頭痛などの症状がある場合には小脳出血などの脳疾患の可能性も あります。また、聴覚症状がある場合には早期の治療が必要ですので、これらの場合には救急外来ないし耳鼻咽喉科,神経内科,脳外科等をできるだけ早く受診 して下さい。発症が緩徐な場合でも、長く続く場合には脳や頚椎、全身の疾患が隠れていることがあるのでやはり詳しい検査が必要です。

 

⑤ めまいの診断に必要な検査は?

めまいは目が回ったり、ふらふらして体のバランスがうまくとれない状態になり、気持ちが悪くなって吐き気がします。めまいの原因は内耳の三半規管 や耳石器というバランスの神経の病気で起きることが多いのですが、時には内耳の神経をコントロールする脳(脳幹や小脳など)の病気による事もあります。こ のため、病気が内耳にあるのか、脳にあるのかを十分に検査して調べる必要があります。めまいの時には目が激しく動くので、目の動きを観察したり記録します (①眼振の検査)。また、体のバランスが乱れているかどうかも検査します(②体平衡の検査)。内耳が原因となっているかどうかは、聴こえの検査(③聴力検 査)や耳に注水して人工的に三半規管を刺激する検査(④温度刺激検査)を行うこともあります。脳の検査としては目の動きの検査(⑤ENG検査)や画像検査 (⑥CT、MRI)などが役に立ちます。従って、以上のような検査を必要に応じて選択して行い、めまいの原因を診断します。

⑥ めまいの受診科は?

めまいは様々な病気で自覚する症状です。そのため,めまいがあった時にどの診療科を受診したら良いか迷うことが多いと思います。この時に重要とな るのは,めまい以外の症状の有無です。聞こえが悪くなっていたり,耳鳴がしたり,耳がつまった感じがするときには,耳の平衡器官によるめまいの可能性が高 く,耳鼻咽喉科を受診してください。めまい以外に,意識が遠のいたり,物がふたつに見えたり,ろれつが回らなくなったり,手足の麻痺があるときには,脳の 障害によるめまいの可能性があるので神経内科や脳外科を受診してください。めまいのみの時にも,様々な病気が考えられますので,耳鼻咽喉科,神経内科,脳 外科等を受診して下さい。

突然に初めて経験するめまいで,動くことも出来ない時には,救急処置を受けるために救急外来を受診され,担当する医師の指示に従って頂ければ良いでしょ う。当学会のホームページには,めまいを専門としている全国の医師のリストが掲載されていますので参考にして下さい。

⑦ めまいの予防

めまいと一口にいっても、いろいろ原因があります。内耳や脳の循環障害により生じるめまいは、血液中のコレステロールが高くなったり、血圧が高く なったり、不整脈など循環器系の障害があると起きやすくなります。そのため,脳梗塞などの脳血管障害や心筋梗塞など虚血性心疾患の予防と同様に普段から食 生活や嗜好品に注意し、定期的に検診をうけておくことをおすすめします。糖尿病は体の各部の循環障害をおこすので注意が必要です。また、メニエール病など の内耳性めまいの発症には自律神経の不安定も大きくかかわっているといわれています。自律神経を安定させるためには、夜更かし・暴飲暴食などを避け規則正 しい生活をすることが必要です。また精神的なストレスも自律神経を不安定にするので、精神的な面でもゆとりのある生活をすることが予防となります。なおふ らつきや転倒は、脳や内耳の不調でおきるだけではなく、足腰の筋肉が弱っても原因となります。現代人は運動不足になりがちなので、特に中高年の方は歩くな どして、足腰を鍛えましょう。運動は内耳や脳を刺激し活性化して、老化するのも防止します。

 

⑧ 生活習慣とめまい

めまいの症状で病院を訪れる患者さんの問診では、過労、睡眠不足、職場の対人関係でのストレス、さらに家庭内のストレスなどのお話がしばしば聞か れます。このようなことがめまいの背景因子のひとつになっている場合も多いようです。従って、肉体的・精神的ストレスが蓄積しないように規則正しい生活を 送り、精神的にもリラックスした状態を維持することがめまいの予防として大切なことです。次に、めまいの起こりやすい年齢は疾患によって多少の差がありま すが、一般的には40~60歳に多いと言われています。女性ではちょうど更年期障害の時期とも重なります。また、季節的には春先や秋口などの季節の変わり 目に多く、自律神経機能とも関連している可能性があります。めまいの起こりやすい体質は、低血圧、貧血、アレルギー体質などがあげられます。糖尿病、高脂 血症、心臓病、高血圧症(降圧剤の服用)などのいわゆる成人病の既往歴を持つ方が多く認められます。また、暴飲暴食、大量喫煙などに伴う生活習慣病にも注 意しましょう。血圧とめまいの関係については、一般的に低血圧症の人にめまいが起こりやすいと考えられています。一方、当然のことながら高血圧症もめまい の原因になりますが、高血圧症の方でもお薬によって血圧が下がりすぎてめまいが起こる場合もありますので、降圧剤を長期間に亘って飲んでいる方は血圧の定 期的なチェックを是非お受け下さい。

 

出典:日本めまい平衡医学会